小児期の食育・口腔ケア
子供の食育・口腔ケアに関する記事です
子供の食育や口腔ケアに関しての記事を集めてみました。
私に子供が出来てから、特に食や顎顔面の成長といったことにとても興味を持つようになりました。
歯科医師の視点、親の視点から子供の成長を見ていき、気付いたことなどを記事にしていきます(*^_^*)
小児期の食育・口腔ケア① 乳児期の食育と口腔ケア
小児期の食育・口腔ケア
今回から小児期の食育支援と口腔ケアに関して計4回に分けてお届けしたいと考えています。
第1回目は乳児期の食育と口腔ケアです。
生まれてきたばかりの赤ちゃんでも、自然にお母さんのおっぱいを吸うことができるのは、実はお母さんのおなかの中にいる時期(胎児期)から自分の指を吸ったり、羊水を飲んだりして、哺乳のための準備ができているからなんです。赤ちゃんってホントに凄いですね(^v^)
さて、生後5~6か月ころになると離乳の準備が整ってきます。
離乳の時期は赤ちゃんのお口の中は大きく変化するので、お口の形態変化や乳歯の生え具合、唇や舌の動きを見ながら離乳食の食形態をステップアップさせていくことが重要です。
1.離乳食について
1) 生後5~6か月
この時期に適している食べ物はペースト状の食べ物で、口唇から食べ物を取り込み、舌でのどに送り、口を閉じてゴクンと飲み込む事を覚える時期です。
2) 少しずつ慣れてくると
今度は舌で食べ物を上あごにあて、押しつぶす動きが出来るようになります。舌で潰せるくらいの形ある物を少しずつあげてみましょう。
3) さらに次のステップでは
形ある食べ物を舌で歯ぐきの方に送り、上下の歯ぐきでつぶす動きを覚えます。煮た野菜などを適度な硬さで、歯ぐきですりつぶしやすい形にしてあげてみるのもいいでしょう。
4) 1歳近くになり
形がしっかりしたものを食べれるようになってきたら、自分で食べるための準備段階として、手づかみで食べれる物を用意するといいでしょう。また、上下の歯でかんで食べる食べ方を覚えることで自分に合った一口量の調節を徐々に覚えていきます。離乳食の味付けは薄味にし、甘味嗜好をつけないようにしましょう。
離乳の時期には、ステップアップを急ぎすぎないことがポイントです。
2.乳児期の口腔ケアはどうしたらよいいでしょう。
写真は現在7か月(平成23年10月7日)の私の娘(^v^)です。ちょうど歯が生え始めて2週間ほど経ちました。この時期は積極的な歯磨きは必要ありませんが、この時期から口腔ケアの準備、導入を始めることが重要です。子供が歯磨きを嫌う原因の一つに、お口を触られることを嫌がるケースがあるようです。
まずは顔や口の周りを触られることから慣れさせましょう。
次に親の指みがきで口の中を触られることに慣れさせましょう。
そして、ガーゼ磨きや、歯ブラシを使いまじめましょう。
月に1度ほど口腔内の写真を撮影し、その都度子供のお口がどのように変化するかをお伝えできたらと思っています。
小児期の食育・口腔ケア② 幼児期前半の食育(離乳食の進め方)と口腔ケア
ちょっと期間が開いてしまいましたが、前回に引き続き、小児期の食育・口腔ケア②を我が子の写真付きでアップしたいと思います(^v^)
小児期の食育・口腔ケア②
前回は、乳児期の食育と口腔ケアについて書かせていただきましたので、今回は1~2歳の幼児期前半の食育(離乳食の進め方)と口腔ケアについて書かせていただきます。
(1)口腔内の変化
1~2歳の子供のお口の中はどのような変化が起こっていると思いますか(^v^)?
このころは、前歯が上下共に4本づつ生え始め(個人差はあります)、奥歯も生える準備を始めます。この時期は、近い将来、奥歯が生えた際にかみ合わせが出来、咀嚼をするための準備時期(自食準備期)なんです!
人間の成長ってうまくできていますね(*^。^*)
(2)手づかみ食べの重要性
一見、敬遠されがちな手づかみ食べですが、自立して食べていくためには重要な役割を持っているのです。手で取って、口に運び、食べるという行為によって、離乳食の硬さ、大きさ、温度を実感するのです。
「遊び食べ」「玩具なめ」で物を口唇や前歯で受け入れる練習をし、口に入れる量を調節する役割を獲得するのです。手づかみ食べにも重要な成長の意味があったんですね(*^_^*)!
(3)成長に合わせて食べ物の形態、硬さを変える
2歳近くになると、乳臼歯も生えてきて、少しずつ奥歯での咀嚼を覚えてきます。しかし、まだまだ十分な咀嚼機能が伴っていないので急に固いものを与えてしまうと、お口の中でうまく処理できずに「丸のみ」や「ためる」食べ方を覚えてしまうので、最初のうちは形があっても比較的すり潰しやすい食材を食べさせてあげましょう。
この時期、咀嚼を育てるためには、噛みごたえのある食べ物よりも、歯の生え方や噛む力に合った食べ物を用意することが重要です。
1~2歳で処理しにくい食べ物
(小児科と小児歯科の保険検討委員会より)
- 生野菜(きゅうり、レタスなど)
- 繊維のある肉、野菜など
- 弾力性の強い食品(かまぼこ、いか、タコなど)
- まとまりにくいもの(ブロッコリー、ひき肉など)
我が家では、まとまりにくい食べ物はとろみをつけて食べさせています(うちの奥さん談(^v^))。 - 皮が口に残るもの(豆、トマト など)
(4)乳児期前半の口腔ケア
幼児期とは異なり、乳臼歯も生えてくることから、歯ブラシの重要性は高まってきます。食後の歯ブラシ習慣をつけていきたいですね。お父さん、お母さんによる歯磨きが中心になりますが、子供にも歯ブラシを持たせてあげて磨く意欲を育てていきたいですね(^v^)
我が子(生後10か月 女の子)の上顎の写真です(*^。^*)
下顎の写真です(^v^)
今のところ、順番通り乳歯が萌出していますので、予定では次生えてくる歯は下のB(2番目の歯)のはずです(^v^)
次は、もう少し子供の歯が生えたところで、小児期の食育・口腔ケア③(幼児期後半編)をアップしたいと思います!楽しみにしていてください(*^_^*)
小児期の食育・口腔ケア③ 幼児期後半の食育と口腔ケア
前回からまたかなり時間が空いてしまいました。スミマセン(汗)。
幼児期後半の食育と口腔ケア
今回は幼児期後半の食育と口腔ケアに関して書いてみたいと思います。今回対象となるのは幼児期後半(3~5歳)となります。この時期のお口の中の特徴は、何といっても乳歯列咬合が完成し、咬む力が高まり、いろいろなものを食べれるようになってくるということです。
×大人と同じ食べ物
ここで重要なことは、様々な形態の食べ物、咬みごたえのある食事を取れるようになることから、大人と同じものを与えがちになってしまいますが、乳歯列が完成しても、まだまだ咬む力は不十分であるということです。
この時期から大人と同じ食べ物を与えてしまうと、咬み切れずに、「丸のみ」「お口へのためこみ」の原因になってしまいます。急に食の形態を変えるのではなく、少しずつ形態、固さをステップアップさせ、しっかりと咬んで食べれるように食べ物の調理を工夫してあげてください。しっかり咬むことが、早食い、丸のみ、食べ過ぎなどを防ぎ、小児期の肥満や生活習慣病の予防になります。
歯科的な観点からのアドバイス
歯科的な観点からのアドバイスとして、この時期から口をしっかり閉じる習慣を付けてあげてください。日常の鼻呼吸、口唇閉鎖に繋げていきたいですね(^v^)。口呼吸は将来的な歯列不正の原因になる可能性があります。
口唇のトレーニングのパタカラ
写真に写っている装置は口唇のトレーニングをするための「パタカラ」と言われる装置です。口唇が閉じない理由にはいろいろありますが、口唇の閉じるための力が不足しているからと言われています。
そこで、毎日口唇の力をトレーニングすることで、口唇閉鎖を習慣付けすることが目的の装置です。パタカラの装置としての目的は多岐に及んでいて、最近では女性のほうれい線を消すための装置として、雑誌等でも取り上げられています。
また、食の形態が変わり、多くの食べ物を食べれるようになることから、歯の汚れも目立つようになります。この時期からは特に食後の歯磨き習慣が大切になります。自分で磨きたいという意欲も高まる時期です。
意欲や技能を育てていくのとともに、まだ十分に磨けない部位はご両親による仕上げ磨きも必要になります。親子コミュニケーションの場として、歯磨きをぜひ利用してください(*^_^*)。
うちの子供(現在1歳4カ月)は現在、奥歯が少しずつ見えてきている状態です。よく動くので写真が撮れませんでした(汗)。うまく撮れましたら、また掲載したいと思います(^v^)。
小児期の食育・口腔ケア④ 学齢期の口腔ケアと食育
随分と時間が経ってしまいましたが(汗)、計4回にわたって発信させていただいた子供の食育・口腔ケアも今回の第4回目で一旦終了となります。
このシリーズは今回で終了ですが、様々な情報発信自体は今後も続けますので楽しみにしていてください(^v^)また、うちの子供ももうすぐ2歳になり、いろいろとお口の中が変化してきています。
最近はもっぱら自分で歯を磨きたがります。磨いているというより、くわえていると言ったほうがよいかもしれませんが(苦笑)。試しに歯ブラシを取り上げて、僕がやろうとすると泣いたので、じっと彼女が磨くのを見守っているといった状態です(笑)。
「自分でやりたい!」という気持ちが出てきた!!
これも子供の成長の一つなのでしょう(*^_^*)。なかなかお口の写真を撮れせてもらえないので、画像をアップできませんが(汗)、またうまく撮れましたらアップしますね!!
学齢期の口腔ケアと食育
さて、今回は学齢期の口腔ケアと食育に関して書いてみたいと思います。
この時期の特徴は何と言っても「食の自立」が進むということです。学校での生活が長くなり、食育の場も家庭から学校へと広くなっていきます。
お口の中では乳歯から永久歯に生え換わり、歯列・咬合が大きく変化します。また、親の関与が少しずつ減り、自主性に任されることが多くなるので、ある程度子供自身に自主性が育っていないと、永久歯の虫歯や歯肉炎が発症しやすくもなります。また、生え換わりの時期になると、将来的な歯並びがどうかるか予想できるようになります。
歯並びに関して不安がある場合はこの時期から定期的な咬み合わせのチェックをお勧めしています。
咀嚼効率が高まる
永久歯が生え、噛み合うようになると咀嚼効率が高まるので、咬みごたえのある食事を積極的に取るようにしてください。そして、ぜひ家族みんなんで食事をしてください(^v^)一緒に食事することで、美味しさを共感したり、ゆっくり味わって食べることで過食も防げます。
一人で食事をすると、どうしても好きなものだけ食べてしまったりという偏食化がすすみます。バランス良く、家族で楽しく食べることが、食の偏在化を防ぎ、家族のコミュニケーションが取れるという観点からも重要です。
朝食を取る習慣を!
そして、保護者の方も含めて、ぜひ朝食を取る習慣を身につけてください。生活の規律性を付けることも重要ですが、それ以上に、朝食を取ることが、胃腸や脳を活性化し午前中の勉強をするうえでの大切なエネルギーとなるのです。
本来一番脳が活性化するといわれている午前中に、エネルギーがなければ、勉強もはかどるはずがありません。ぜひもう一度、朝食をとる大切さを再認識していただけたらと思います(*^_^*)
このように、学齢期は、それまでの時期と違い、自主性がポイントとなってきます。いくら親が熱心でも肝心の子供が全く興味を持っていなければ意味がありません。自主的に行動する時期になるまでに、口腔ケアや食生活の正しい習慣を身につけさせてあげてください。
計4回にわたって連載させていただいた、子供の食育・口腔ケアでしたが、いかがでしたでしょうか(^v^)?
生まれたばかりの自分の子供を見たときに、どのように子供を育てよう??という一つの考えと共に、子供の口腔ケアや食育ということを、歯科医師の視点で観察してみようと思いました。
そして、自分で勉強し得た情報、実際、子供と接することで得た情報を子供の口腔ケアや食育のことで悩んでいらっしゃる方々に提供できたら、という思いからこの連載をj始めました。
大したことは書けていないと思いますが、少しでも皆さんのお役に立つことができていれば幸いです。
今後もこちらのサイトから、子供の食育や口腔ケアに関する情報、顎の発育に関する情報を随時アップいたしますので、楽しみにしていてくださいね(*^_^*)
子供の口腔ケア・食育のページをご覧になったお母様方は、下記のページも合わせてご覧になっていらっしゃいます。
小児期の食育・口腔ケア① (離乳食の食育と口腔ケア)はこちら
小児期の食育・口腔ケア② (1~2歳の幼児期前半の離乳食の進め方と食育)はこちら
小児期の食育・口腔ケア③ (幼児期後半の食育と口腔ケア)はこちら
また番外編として、ほとんどのお母さんが悩まれている子供の歯磨き習慣、丸のみについての記事もぜひご覧ください。
子供の丸のみ・歯ブラシの記事です
子供の丸のみや、歯ブラシ習慣、歯ブラシの事故に関する記事を集めました。
小児期の口腔ケア・食育 丸のみについて
今までのブログで2回にわたって食育と口腔ケアについて書いてきました。今回はその番外編として「丸のみ」について考えてみたいと思います。
丸のみについて
幼児期に見られる食の問題として「丸のみ」があります。この丸のみが起こる原因と口腔機能の発達にはとても大きな関係があるのです。離乳食はもともと歯で噛まなくても食べられるものです。しかし、少しずつ慣れてくるとさまざまな形態、味、硬さの食べ物をあげるようになってきます。この時に、お口の発達に合わせた離乳食の進め方が「丸のみ」を防ぐとても重要な要素になります。
幼児期の食べる機能
幼児期の食べる機能は以下のようなステップを経て獲得します
ステップ1
ペースト状のものを唇から取り込み、舌で喉に送り込み、口を閉じる
ステップ2
ステップ1を覚えると、今度は舌を動かしながら、舌を上顎に押し付け、食べ物をすりつぶし喉へ送る。このとき、唇と舌が連携して動くようになります。
ステップ3
ステップ1,2で獲得した動きでも飲み込めないと判断される形状、硬さの食べ物は舌でお口の両サイドに運び、上下の歯茎ですりつぶします。この時、ある程度乳臼歯の萌出準備が始まり、膨らみができ、幅も広がっていることが大切です。
このようなステップを順序良く、しかも急がせすぎず経ていくことが丸のみを予防する重要な要素となります。2004年に和光堂が行った調査では、生後16カ月を過ぎた子供を持つ家庭の半数以上が、大人と同じような食事を与えていたと報告しています。うまく食事を食べる機能が身についていないのに、食べにくい食事を与えてしまえば、食べ物をお口に貯めたり、吐き出してしまうのは当然の事ですよね((+_+))
丸のみが多い子供の傾向
ここで、丸のみが多い子供の傾向について書いてみますので参考にしてみてください。
- 生活のリズムが親のペースになってしまっている
- 離乳のステップが適切ではない
- 離乳の完了が早い
- 食事の形態に工夫がなく、家族で一緒に食べることがない
- 集中力や落ち着きが少ない
- 肥満傾向
丸のみを予防するには、その子の成長に合った食べ物を、あせらずゆっくり与えてあげることが重要なんですね(^v^)最近ではネットで様々な離乳食のレシピが載っていますので、いろいろと参考にしたいですね!
食育と口腔ケア番外編① 丸のみについてのページをご覧になったお母様方は、下記のページも合わせてご覧になっていらっしゃいます。合わせてご覧ください。
小児期の食育・口腔ケア① (離乳食の食育とい口腔ケア)はこちら
小児期の口腔ケア・食育 子供の歯磨き習慣をつけるには その①
磨かないとならないのは十分に分かっているが、なかなか付かない子供の歯磨き習慣((+_+))。誰もが悩むところです。そこで、今回は歯磨き習慣を付けるためのポイントを書いてみたいと思います。
子供の歯磨き習慣をつけるには
(1)歯磨きの習慣づけは、磨きたい気持ちを大切にしてあげましょう。
小学校に上がる前までの子供の歯磨きは、あくまでも習慣づけが目的です。上手にできなくて当たり前です。そんな時もしかったりせずに、楽しく磨けるようにしてあげましょう。
例えば、家族全員で歯磨きをする。子供にはまずは自分で磨かせてください。そして最後に大人による仕上げ磨きをするのもいいでしょう。
子供は容赦なく大人の指を咬んだりしますので(苦笑)、指をお口に入れるときは気を付けましょう。もし、奥歯がまだ生えていないときは、奥の歯茎の部分に指を置いて開けるようにしましょう。咬まれても痛くありません(^v^)。
(2)磨かれるのを嫌がる場合はこんな工夫をしてみましょう。
大人による仕上げ磨きは小学校低学年くらいまでは続けてください。お子さんが嫌がる場合は、嫌がる理由を考えてみましょう。
嫌がる理由の例
1.歯ブラシが痛い
最初は子供用の歯ブラシで、毛の柔らかいものを選んであげましょう。どうしても痛がる場合はガーゼで優しくこするだけでもいいです。
2.歯肉をこすられて痛い
力の入れ具合はどうですか?歯の汚れは軽い力でも十分に取ることができます。時には歯肉を指でカバーし、歯のみに選択的にブラシを当ててください。
3.人に磨かれると痛い
自分で磨くと痛くないので、本人に歯ブラシを持たせて、その手をとって一緒に磨いてください。
4.歯磨き剤のにおいが嫌
最初のうちは歯磨き粉は必要ありません。もし付ける場合はお子様の好きそうな味を選んであげましょう。
5.長時間動けないのが嫌
ポイントを絞って短時間で磨きましょう。
6.眠い時に磨かれるのが嫌
お子さんが眠くなる前に磨いてあげましょう。
(3)仕上げ磨きのポイント
1.磨く順番を決めましょう
お母さんなりの磨く順序をきめるといいでしょう。
2.歯ブラシの持ち方はペングリップ(鉛筆を持つ持ち方)
3.歯ブラシの選び方
ヘッドが小さく、毛は柔らかいものを。子供用を選んであげましょう。
4.特に磨いてほしい場所
1、歯と歯茎の境目 2、奥歯の溝(咬む面) 3、前歯の裏面 4、歯と歯の間
5.時には糸ようじを使いましょう
最初から上手に歯磨きができる子供はいません。最初にも書きましたように、小学校に上がる前までの歯磨きは、習慣を付けることが目的ですので、必ずしも大人と同様に隅々まできれいに磨くことに固執する必要はありません。
もちろん、隅々まできれいにできるに越したことはありませんが、出来ないからと言って焦らずに、長い目で、子供がしっかりと歯を磨く習慣を付けられるようにしてあげましょう(^v^)
小児期の口腔ケア・食育 子供の歯磨き習慣をつけるには その2
子供の歯磨きがうまくできないということで悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか?診療に来てくださるお母さんに、よくそのようなお話を聞くことから、なんとか上手に歯磨き習慣をつける方法がないか考えていました。
そこで、私の娘(1歳7カ月)にさまざまな方法を試してみて、どのようにしたらうまく歯磨きができるようになるかを実験しています(*^_^*)
歯ブラシをおもちゃと思わせてしまおう!
まず最初に考えたことは、歯ブラシをおもちゃと思わせてしまおう!ということでした。
我が家で最初に与えた歯ブラシはこんな歯ブラシです!
ブラシの毛もゴムでできていることから、歯の生え始めの時期はこれを「キュッキュッ」と音を出しながら噛んでいました。
奥歯が生え始めた時から
そして、奥歯が生え始めた時から、子供用の小さな歯ブラシを使うようになりました。
最初に与えたおもちゃの歯ブラシが気に入っていたこともあり特に問題なくこの歯ブラシも受け入れてもらえました。今ではお風呂に入るときにいつもこの歯ブラシを探して、くわえながらお風呂に入っています(*^_^*)
実際に歯ブラシをするときは、歯ブラシを僕が持って磨こうとすると怒るので(きっと自分で持っていたいのだと思います)、子供が歯ブラシを持っている手に、僕の手をのせて、一緒に歯ブラシしています。
おもちゃ感覚で歯ブラシを!
今の段階では、ひとまず歯ブラシを嫌がることはないので、このまま様子を見続ける予定です。今後、さらにどのように歯ブラシ習慣がついていくかを継続的にレポートしますね(*^_^*)
最後に、歯ブラシのやり方、習慣づけに、「こうしたらこうなる」といった答えはありません。今回、書かせていただいた私のやり方も、数かるやり方のうちの一つに過ぎません。重要なことは、諦めずにいろいろな方法で試してみるということです。意外な方法で歯磨きが好きになったり、習慣がついたりするかもしれません。
歯磨きに関する質問にお答えします
歯磨きに関する質問などがあればいつでもメールください。また、我が家ではこんなやり方で歯磨き習慣をつけたよ!なんていう体験談があればぜひ教えてください。
歯磨きで悩まれているお母さんはたくさんいらっしゃいますので、悩まれているお母さん方に医院で直接紹介させていただいたり、このブログで紹介させていただけたらと思っています(^v^)
最後にわが子のお口の写真です。動き回るのでうまく撮れませんでしたが、奥歯が上下ともかなり生えてきました!!
小児期の口腔ケア・食育番外編② 子供の歯磨き習慣をつけるには その2のページをご覧になったお母様方は、下記のページも合わせてご覧になっていらっしゃいます。合わせてご覧ください。
小児期の食育・口腔ケア① (離乳食の食育とい口腔ケア)はこちら
小児期の口腔ケア・食育 歯ブラシによる子供の事故が増えています①
歯ブラシによる子供の事故が増えています
近年、子供の口腔ケアに対する関心が増し、乳幼児期からの歯磨き習慣が定着したことで虫歯になる子供は減ってきています。しかし、一方で乳幼児が歯ブラシをくわえたまま転倒したりといった事故も増えているそうです。
今回のこの記事では、実際にどのような事故が発生しているかの報告をしたいと思います。
(1)実際に起こった事故情報
年齢は1歳児が最も多く46,9%。続いて2歳児が24,5%。全体を見てみると3歳以下の児童が87,8%となっています。
(2)具体的な事故事例
1.歯磨き中に歩いて転倒 これが最も多いようです。
事例集の文章を引用
室内で歩きながら歯磨きをしていたところ、畳の上で前方に転倒。歯ブラシは畳の上に放り出されていた。見たところブラシ全体に血液が付着していた。水を飲むことができなかった。右咽頭に裂傷が出来ていた。2歳男児
引用終わり
2.歯磨き中に物にぶつかる
事例集の文章を引用
兄に追いかけられ歯ブラシをくわえたまま走っていたところソファにぶつかって歯ブラシがのどに刺さった。嘔吐し、鼻と口から出血。右咽頭、口蓋垂に1センチ程度の裂傷。 1歳男児
引用終わり
3.歯磨き中に椅子から転倒
事例集の文章を引用
洗面所で椅子の上に立って歯磨きしていたところ椅子から転落。歯ブラシのヘッドの部分が3センチほどの個所で折れていて、ヘッドの部分が口腔内に刺さっていた。出血があったため救急を要請。 1歳男児
引用終わり
我が子(娘2人)は上の子がもうすぐ3歳、下の子がもうすぐ1歳です。事故の事例集を読みながら、我が子にも十分起こりうる事故なだけにとても怖い思いがしました。3歳以下の子供と言えば、縦横無尽に楽しく走り回る時期ですよね。しかも、1歳だと、歩くと言ってもまだまだ不安定でいつ転んでもおかしくありません。事故の防止のためには親がしっかり見守っている必要がありますね。
次の記事では、乳幼児の歯ブラシによる事故と保護者の意識調査、消費者庁と国民生活センターの取り組みについて報告しますね(*^_^*)
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小児期の口腔ケア・食育 歯ブラシによる子供の事故が増えています②
さて、前回は乳幼児の歯ブラシによる事故の具体的な事例を紹介しました。今回の記事では、乳幼児の保護者の事故に関する意識調査(アンケート結果の紹介)と、防止のための取り組みについて報告致します。
歯ブラシによる子供の事故防止
設問1 乳幼児(0~3歳)の歯ブラシによる事故を経験したことがありますか?
ある(15%) ない(75%)
4人に1人が事故の経験をしたことがあるようです。またその約7割が1歳児だそうです。
設問2 歯ブラシによる事故が多いことを知っていましたか?
約30%の方がこのような事故が発生していることを知りませんでした。一方で、事故を聞いたことがある方の半数が歯ブラシによる事故をとても危険なことと認識しており、子供が歯ブラシをする際は必ず隣で注意するようにしているとの結果でした。
これら結果から、歯ブラシによる事故を認識すると、日頃から乳幼児の歯ブラシに対して注意を払う行動に結びついているので、事故のへの対策として、まずは事故の危険性について親が認識を持つことが重要となります。
親が認識することが事故防止には一番大切
歯ブラシを自分で持つことはこどもが自立していく過程でとても重要なことだと考えています。子供は親のまねをして歯ブラシを口に入れることを覚えます。
そして、歯ブラシが楽しくて気持ちの良いものであるという体験が歯磨き習慣につながっていきます。歯ブラシはフォークなどと違って一見安全のように感じますが、時と場合によっては大事故につながってしまう事もあることをまずは親が認識することが事故防止には一番大切なようですね。
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