歯周病を引き起こす細菌が早産や低体重児の出産に関与している可能性があると書きました。

理由として早産になった妊婦さんの羊水に歯周病原菌が存在していたり、歯周病になっていない妊婦さんに比べ、重度の歯周病になっている妊婦さんの方が早産・低体重児の出産になっている確率が高いからです。

ただ、これはリスクはありますが確実なエビデンスがあるわけではありません。 

歯周病と早産、低体重児出産との関係

実際に歯周病と早産、低体重児出産との関係は無いと結論付けられている論文も多く存在するのです。 

例えば。。

原題「Obstetric outcomes after treatment of periodontal disease during pregnancy: systematic review and meta-analysis」BMJ 2010; 341:c7017 doi: 10.1136/bmj.c7017 (Published 29 December 2010)
この論文の冒頭で、
「Treatment of periodontal disease with scaling and root planing cannot be considered to be an efficient way of reducing the incidence of preterm birth. Women may be advised to have periodical dental examinations during pregnancy to test their dental status and may have treatment for periodontal disease. However, they should be told that such treatment during pregnancy is unlikely to reduce the risk of preterm birth or low birthweight infants.」と結論付けられてしまいました。

 

私自身は妊婦さんの歯周治療、定期検診によるメンテナンスは早産や低体重児出産とは別のところに意義を感じています。

以前、他の記事でも書きましたが、両親にしっかりとしたブラッシングをする習慣がなければ子供にその習慣が身につくはずがありません

すなわち、生まれてくる子供のためにも、まずはご両親がしっかりとした口腔ケアを身につけてほしいのです。その良いきっかけが妊娠中の口腔ケアにあると考えています。

 

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